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ガウディ×井上雄彦展に行ってきた。

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「人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する」


「偉大な本、常に開かれ、努力して読むに値する本、それは大自然の本である」- アントニ・ガウディ

六本木ヒルズで開催されているガウディ×井上雄彦展に行ってきた。


7/12からスタートしたばかりのせいか、内容や前評判を誰からも聞かずに参加。

 

結果、行って良かった!

 この展覧会は、ガウディの数々の作品(主に設計図や模型)の展示とそれが生まれた背景の紹介、そして井上雄彦さんによる漫画作品でガウディの生涯を辿る旅だ。


私は新婚旅行でスペインに行ってから、ガウディのことがなんだか大好きだ。
自然に基づいた造形。色とりどりのモザイクアート。
特にサグラダファミリアにはご縁を感じている。
私や夫が生まれる約100年前、1882年から建設が始まっているのだ。

それが2014年の未だに建設中って、スゴイよね。

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以下、所感・雑記。

*ガウディは最初から成功していたわけではない。
1852年、スペインの田舎に生まれた。母や兄、身近な人たちが多く病死し、自身もリウマチを患い、友達と同じように遊んだりすることができない身体だった。苦しみや悲しみも多い幼少期だったと思われる。

*ガウディの転機
建築大学を卒業後、26歳の時のこと。

パリ万博に出展する革手袋店の展示用ショーケースを依頼され設計したことが、ガウディのひとつの転機となった。

ガウディは、この依頼を受けた当初はどんな気持ちだったんだろう?
大きな意味を感じる誇らしいオファーだったのか、それとも建築家がガラスのショーケースを設計するなんて、ちょっと意外な感じだったのか。

そこは描かれてなかったし分からないことだけれど、今回展示され目の前で見ることができた設計図は、革手袋用のショーケースとは思えないほどに緻密な、美しく描き込まれた豪華なものだった。
サイズとしては小さな設計図だったけど、ガウディが情熱を込めて生み出したことが確かに伝わってきた。
結果、このショーケースに魅了された新興のブルジョアであるグエルが、ガウディの生涯のパトロンとなる。
心を込めたひとつの作品が、次の出逢いを生んだのだ。

*ガウディは31歳で、サグラダファミリアの2代目の主任建築家に就任した。
奇しくも、今の私とほぼ同じ歳。
私が生涯をかけてする仕事とは、なんだろう?

*ガウディはその生涯をかけてサグラダファミリアの設計と建築を続け、1914年(62歳)の時には、他のすべての仕事を断ってサグラダファミリアの建築に身を捧げている。

そして73歳の時に不慮の事故で亡くなる直前まで、生涯サグラダファミリアの建築に没頭した。


サグラダファミリアの完成予定は2026年。ガウディの没後100年。ガウディがもし生きていれば、174歳のとき。
私が死んでも、遺るものとはなんだろう?

*以前開催されたバガボンドをテーマにした井上雄彦さんの「最後の漫画展」も以前行ったが、あのとき以上に紙の質感がすてき。
と思ったら、越前の手すき和紙をわざわざこのために作り、その和紙の上に描いてるのだ。
井上雄彦さんの筆と相まって、すごい存在感。

*特典付きチケットだと貰えるブックカバーも、同じ越前手すき和紙。ざらざらとした手触りがいい。

謎のキャラ付き。キモかわいい。

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*ネタバレになるので多くは語らないが、ガウディの、最後の見つめる表情。
あれは井上雄彦さんが漫画家としてどう表現するか悩みに悩み、悩み抜いた末に描き出した表情なんじゃないかと思う。

以前拝見した「ザ プロフェッショナル 仕事の流儀」での、1コマの1つの表情を苦しみながら描き上げていた井上雄彦さんの姿を思い出す。


井上雄彦さんとガウディの共通点は「完成を急がないこと」らしい(笑)

とはいえ、バガボンドの新刊はいつまでもお待ちしてますよ〜〜先生!

 

公式の動画も面白かった。

https://youtu.be/C7gLT3Dvm8I

 

 図録的なものは買わなかったけど、公式の書籍が出てるのを見つけた。欲しいなぁ!

 

pepita 井上雄彦meetsガウディ 新装版

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